Nagadeepa Raja maha Viharaya - Nainativu island in Jaffna ナーガディーパ寺院 ジャフナ ナイナティブ島

ナーガディーパ寺院は北の果てにあるNainative島にある寺院で、聖地でもあります。
折角Jaffnaまで来たからには訪れてほしい場所のひとつですが、アクセスはあまりよくないためちょっとした冒険にもなります。
蛇の化身の神の島(Nayinar-Theevu)が変化してNainativuになったともいわれています

スリランカには仏陀が訪れたと謂われる場所が3か所ありますがナイナティブがそのうちのひとつです。その昔2人の王が玉座を巡り争っていたそうですが、仏陀が和解させたそうです。そしてその玉座を仏陀に譲ろうとしたところ断り、このナイナティブにあるナーガディーパ寺院に祀られることになったそうです。なんだかダチョウ倶楽部みたいですね。

ジャフナには大きな島が点在しており、それぞれコーズウェイ(北部は遠浅の浜が多く、島と島の間を埋め立てた道路で結ばれていることが多い)で結ばれており、車での移動が可能です。が、KurikadduwanからNainativuまでは船で渡ります。

Jaffnaからひたすら西へ向かいます。サバンナや海中を進むコーズウェイが旅情をくすぐります

本土側の船の発着場は同じですが、島は到着と出発が別の埠頭になるので時間の割り振りに注意

Kurikadduwanにある埠頭からは30分おきに船がでているそうですが、時刻表などはないのでそのあたりにいる人に「ナイナティブ?」とか「ナーガディーパ?」ときいてみると、おしえてくれます。

屋根のある待合所もあります。以降写真の白トビが激しくてごめんなさい


Google MapでみるとKurikadduwan Jettyとあるので、隅田川にあるような水上バスなのか、香港‐マカオを結ぶようなジェット船があるのかと期待を膨らませると、大きく予想が外れることになります。
漁船を改造したようなボートが埠頭で待っているので、その船内に乗り込みます。
中は限界まで人が乗り込み、最後の方に乗り込んだ我々は立ち乗りでした。

今回訪れた日はよりによって倒木するくらいの強風の日だったためか、海は大荒れで、大海に浮かぶ木葉のごとく揺れに揺れ、窓から波がバンバン船内に入ってきましたが、それでも船は進みます。船内にいるスリランカ人たちは涼しい顔をしているので、こういうものなのでしょう。

波に揺られ水しぶきを浴びながらインド洋を進むこと約20分、Nainativu島に到着します。ガイドブックには無料と書かれていたり、他の方のブログでは30ルピーと書かれていたりしましたが、到着後にひとり60ルピー徴収されました。外国人だけ請求されるのかと思いきや、スリランカ人も(ツワモノのご婦人ひとりを除いて)みんな払っていたので、そういうシステムのようで、ジリジリと値上げ中みたいです。
このボートに乗ります。上に載っているのは船員で、客は中へ。

船内の様子。写真の白トビが激しいですが、写真奥にも立ち乗り客がいて、みっちり乗ってます。

心臓部ともいえるエンジンは船内真ん中に据えられています。止まりませんように。

到着した埠頭をでてすぐのところにNagadeepa寺院はあります。
こんな地の果てのようなところに心もとない船でやってきたので、未開の地かと思いきや、聖地なのでかなり整備されています。
入口に受付があるので、寺院に入る前に靴を脱ぎます。
あまり人はおらず、思ったよりも小さい寺院ですが、まずは本堂でお賽銭を入れ、仏陀に手を合わせます。そして噂の玉座もありました。ガラス越しで見学です。
最近作られたと思しき仏陀の足あとなどもあります。
ゆっくりまわっても15分くらいでまわれてしまうので、道路の反対側にある仏像なども眺めてみたりします。
玉座はこんな建物に祀られています

玉座のアップ。白トビ激しくてごめんなさい

写真の左手に本堂、真ん中赤い屋根に玉座、右手にストゥーパとコンパクトに収まっています

みんな大好き、等身大の象の像があります

道路を挟んだ向かいも綺麗に整備されています


スリランカで仏陀が訪れた3か所のうち1か所はコロンボ郊外にもあり、広大な敷地に巨大なストゥーパのある非常に立派な寺院で、昼夜を問わずひっきりなしに大勢の人々が白い服で訪れ(寺院参拝は白い服が正装)、寺院まわりの道路が渋滞するほどなので、「ちょっと聖地ってみてみたいな」と軽い気持ちで行ってみたら尻込みするほどの信心深さなのですが、ここは小ぶりな上に静かでのびのびと見学ができるので、個人的にはお気に入り聖地のひとつです。

到着した埠頭と帰りの埠頭は別なので、Nagadeepaをあとにして帰り用の北の埠頭に向かいます。

途中椰子の葉で編まれた屋根つきの商店街を通過することになりますが、その日は閉まっている店も多く、わりと静かな通りでした。
お茶屋さんなどもあるので、飲食やトイレ休憩もできそうですが、時間の都合もあってどこにも入らなかったのでトイレ事情は不明です。(他の地域を参考にする限りあまり期待できないと思います)
北へ向かう道は途中から屋根付きに。炎天下なのでありがたい。お店もあります

10分ほど歩き、商店街の終わりには豪勢なヒンズー寺院Nagapooshani Amman Templeが見えてきます。この寺院の起源は数千年前の先史時代の土着信仰にも遡るとも言われており、1620年のポルトガルにより破壊後1788年の再建を経て1958年、1986年にも戦火の影響で深刻な損傷を受けたそうです。そんな破壊と再建の歴史をもつ寺院ですが、最も古い寺院のひとつにも数えられる宗教的に重要な寺院だそうです。寺院そのものも立派ですがその聳え立つ門は高さ108ft(約33m)もあり圧巻です。
商店街側からみた寺院入り口

本殿。にぎやかな建物です。ヒンズー寺院は男性は上半身裸にならないと入れません。時間の都合で外観の見学のみ

桟橋側からみた33mの門。白トビが激しくてほんとごめんなさい

こちらの寺院はサンスクリット叙事詩Mahabharataにも記録が残されているそうです。Mahabharataによればこの寺院は、聖人 Gautama Maharishiの呪いから開放される過程で君主Indraによって建てられたそうです。聖人Gautama Maharishiの妻Ahalyaに横恋慕した君主Indraは、その夫に変装しAhalyaを騙して思いを遂げますが、それを知り激昂したGautama Maharishi により去勢されYoni(女性の生殖器)の模様を体中にちりばめられてしまう呪いをかけられてしまいます。Indraは嘲笑と侮辱に耐えられず逃げるようにこの島へとやってきます。後に改心し、その悔恨・反省と篤い信仰心が全宇宙の女神Bhuvaneswari Amman に認められYoniは眼へ変えてもらえたそうです。なんとも斬新な教育的物語ですが、インド系の物語には極悪人が改心して聖人や神になる話がよくみられる気がします。人は痛い目に遭わないと改心しないという教訓なのか、悪人でも変われるという教訓なのか興味深いです。

話は逸れましたが、この雄大な門をくぐるとNainativu島から出発する船の桟橋があります。来たときと同じくこじんまりとした連絡船で立ち乗りで帰ります。6-7月のヒンズーお祭りシーズンは数千人が訪れるそうですが、この船で収容しきれるのか心配してしまいます。
帰りも大揺れで波をかぶりますが、来たときより余裕ができて色々なことを考えます。シリア人難民船の乗員が全滅したニュースが頭をよぎります。国を追われ、転覆しそうなボートで地中海を渡った彼らは波に揉まれ、陸も見えずさぞや不安だっただろうに。。。何日もこんなに揺れる船にいたら、具合も悪くなってしまうだろうに。。。
世界平和について思いを馳せている間に、20分後には無事本土側に上陸できました。帰りも後払いで運賃1人60ルピーです。
船着場から島までコーズウェイを通りますが、徒歩の人が多くここでもみんな波しぶきをあびてビッチョリです。

Nainativu島は特に船移動がワイルドなので、安定した脱げない靴(船に乗るときと降りるときにサンダルを落とさないよう注意)と多少ぬれても大丈夫な装いで訪れたい素朴な聖地でした。ザ・観光地に飽きた方は是非北まで足をのばしてみてください。

 [アクセス] Google MAPはこちら
Jaffna市街からAB39号線を西に進みKurikadduwanからNainativuまでは船で渡ります。車で約1時間、Jaffnaのバス乗り場から路線バス776番でも行けるようです。
Kurikaadduwan Jettyは6:30-17:00まで30分おきに運行されており、Nainativuから帰る船の最終便は17時。島内での所要時間は上記ルートで1時間弱なので、最終便に乗り遅れないようご注意を。
ナーガディーパ寺院(仏教)は到着埠頭を渡ってすぐの場所に、ナーガプーシャニ アンマン寺院(ヒンズー教)は出発埠頭のすぐ手前です。



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